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著者:kagikko(広岡ジョーキ)
2011年3月、目を覚ました場所は、精神病院の閉鎖病棟だった——。
11年にわたる東京生活を経て、30歳という節目に、旧家の長男として故郷の家を継ぐため断腸の思いで帰郷を決断したものの、着地に失敗し、閉鎖病棟で過ごすことに。
2011年3月から6月の約3ヶ月間、著者が精神病院の閉鎖病棟の中で書いた日記を編集したものです。
これまで日韓バイリンガル版(全3巻)をお取り扱いさせていただいていましたが、当店の日記本即売会イベント、第6回「日記祭」に合わせて日本語版の合本が刊行されました。
「2011.3.29(tue) 9:30
看護師のSさん(男性)の顔を見ると、どういうわけか僕はいつも無条件で焼き鳥(砂肝)が食べたくなってしまう。先日入手した情報によると、なんとSさんの前職は焼鳥屋の店員だったという。僕はこの偶然に出会えた悦びを誰にも伝えることはしなかったが、ともかく重要なのは、僕の食欲もかなりのレベルまで回復してきたということ、そしてこの世には見ると無条件で焼き鳥が食べたくなってしまう顔が存在する、という喜ばしい事実である。」
「2011.4.7(sat) 5:50
Yさんの屁の音で目が覚めた。パリッとして威勢の良い、いなせな、邪気のない屁だったので、気持ち良く目覚めることができた。指定した時刻になるとYさんの屁の音が鳴る目覚まし時計がもし発売されたなら、僕は間違いなく買うだろう。」