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日記集 柄シャツ以降

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著者:瀧本緑 「以降、といざ区切ってしまえば、またそのあとのシーンが降り積もるだけ。あの瞬間は間違いなく青春、とすでに大人になったわたしたちはお互い確かめ合いつつ、この時間をどこにもいかせない内容にギュッと凝縮して大切にとっておく。それを背負ったここからの人生は、柄シャツ以降! 人生は演劇ではない、芝居でもない、けれども、平々凡々な日々にどうかドラマを。ポップでミーハー、されど深淵へ向かう日記集。」 (著者より) 第5回日記祭出店作品。 _ _ _ 2024年10月13日(日)  昼過ぎまで寝てから慌てて音博2日目へ。母が「服変じゃない?」と聞くので見やると、灰色の蛇柄シャツを着ていた。「柄シャツじゃん!」と心の中で歓喜しつつ「すごくかっこいい」旨を伝えた。「わたしの本来の姿はこれや」という母。「60手前やけど音博に行くようなかっこいいおばちゃんの服装としてこれ以上ない」とさらに褒める。聞けば昔、母はこういう奇抜な格好を好んでいたらしい。けれどそういう母に出会って憧れ、交際に至ったはずの父は実は女性にそういうかっこいい格好をしてほしくないタイプだった。それでしばらく奇抜な服を着れなかったし、がん治療で髪は抜けるしで似合う服を着れていなかったのだ。最近はようやくザ・自分の服を着れるのだと。何にも邪魔をされず生きてほしいと思う。わたしはそう思った時異様に人を褒めるし、絶対にそうあるべきだと強く言うので今日もそうした。そして、自分が柄シャツを着れたことに異様な喜びを見出して本のタイトルにまでしてしまうことが、ちゃんと母からの地続きのものだったことが嬉しかった。かっこいいよあなたはずっと。

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