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著者:changmo
2022から2023年の日記を掲載、編集したZINE。おもに発達障害(ASD/ADHD)がわかってからと、労働の摩擦を記録している。
本誌は、パワハラ、セクハラ、フラッシュバック、攻撃的な言動、その他暗い文章を含みます。
[サイトより]
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「2022/11月終わりくらい
仕事から帰ると役所から障害者手帳の交付について手紙が届いていた。結果は三級だった。今日から精神障害者になったらしい。正確には生まれた時からで、受容の最初の一歩を踏み出すのに時間がかかった。
その日の仕事でも摩擦を感じていて、社会にずっと馴染めない感覚を持ったまま生きていくのは限界なので、少しは気が楽になった。
後日役所に受け取りに行くと、私物では選ばない色のカバーにつつまれてイケてない顔をした顔写真の入った手帳を渡された。障害者助成の説明を受けて、交通費助成のために記名済みの交通系ICカードを作ることになったが、地下鉄の無人券売機に「おとこ」か「おんな」かを選ばされてゲーっと声が出た。できるだけ性別と遠いところに行きたいのに、二元論が地の果てまでおれを追いかけてくる。
(一人称が「おれ」なことに対する説明責任も追いかけてくる。やめてください。)
手帳やらパンフやらを受け取り、役所をでても何も変わっていなかった。
福祉や障害は自分とは関係ない世界だとおおむね最近まで思っていたけれどゴリゴリに
関係あったし、それはパビッと世界が変わるものではなく地続きだった。
強いふり(おれの中では連続体だ。)をしていたことについて考えた。ASDは社会とのなじめなさを隠すために「社会カモフラージュ」をするらしい(わかる)。おれが選んだカモフラージュ先は男社会だった。男社会の序列を受容した毛皮をかぶれば馴染めると思ったし、なにより無頓着さと私に巣くう攻撃性と親和性が高かった。鼻がキいていると思うが現実は女なので序列にカウントされておらず、人付き合いが苦手で友情が育まれることもない。今でこそ憎んではいるが私が意識してインストールした第一言語だし、憎んでいるふりをして会社では会得したホモソ話法を使っている。マインドまでインストールしてしまったかの解釈をしたいけど時間が必要で、忘れやすいからどんな些細なことでも書き残したい。
(まあ多分洗脳されていると思う。)」
(本文より抜粋)
changmo(チャンモ)
93年生まれ。北海道在住。
現場作業員しながら発達障害とセクシャリティの受容に努めている。