original


著者:あらまし
2014年からインターネット上で日記を書いているあらましさんの、大学3年から社会人6年目までの、およそ7年間の日記とエッセイをまとめたもの。
※2024年10月発送分から表紙紙の種類が変更されています。
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「2020年5月14日
自分のことすら信じられない。
ついさっきまで鼻歌交じりに手を動かしていたのに、今は何もかもが面倒でベッドに横たわっている。寝る間も惜しんで進めたいと奮い立ったかと思えば、あらゆることに手がつかずぼんやりと宙を見つめて時間を過ごすこともある。カフェインや糖分を服用したところで効き目はまちまちで、やる気、などという形が見えないものに気まぐれに支配されている虚無感が増すばかり。
これこそが一生の夢で信念だと心に誓ったものすら、眠りから覚めたら疑わしくなる。まっすぐ向かいたいのに目印はふらふらとその居場所を変える。朝陽を浴びて湧き上がる高場と、夕暮れを仰いで波立つ心情と、どっちが本当で、どっちが嘘なのか。
明日も明後日も夢中になれる何かが欲しい。食い散らかしては捨ててしまうことに嫌悪感をくのはもうやめたい。これ以上、自分で自分に課した約束を破りたくない。
自己肯定感は増した。希死念慮はとっくになくなった。だけど目の前と足元は、まだ薄暗くおぼつかない。」
(本文より抜粋)