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著者:鈴木竣介
装画:藤生百音
グラフィックデザイナーとして活動されている鈴木竣介さんの、2023年の日記。
「上京してから早2年が経ちました。
もちろんマイナスな感情に押し流される日もたくさんあって、日記を読み返すと中にはすごい口が悪い日もあったりもするのですが、全体として眺めると、そういった忙しない日々の中で季節の移り変わりや、人のやさしさ、正直でありたい気持ちといった、生活の中に佇む純なものを見つけ出そうとする自身の眼差しが感じられて、それらをまとめて一冊の本にしたいなと思いました。
最近は、読んだ後やさしい気持ちになれる本が好きです。
普段、ポスター作品などを制作するときは、日頃考えていることを形にしてより深く自身に刻み込むというか、自分そのものを保存するようなエゴイズム的側面が強いのだけど、本に関してはもう少し自分の輪郭をぼやかして、もっと普遍的な、世間一般に通底するやさしさとか純粋さを保存して眺められるようにしたいという意図があるのかもしれないなと、作りながら考えたりしていました。
と、真面目に書いていますが、真面目なだけではなく、良い意味で力の抜けた部分もあるラフな内容になっています。サラッと読める、手帳サイズのちいさくて感じのいい本になりました。」
(著者SNSより)
「5/20(sat)
朝から北千住で胃カメラ。異常なし。(・・・)胃の写真見たらすごく綺麗で、自分の中にもこんな綺麗な部分があるのかと感心した。
6/10(sat)
演劇鑑賞。生の緊張と情熱。まず何より皆かっこいいなと思った。
7/1(sat)
過剰に褒められて、その相手が持っているイメージと本来の自分との乖離に急に怖くなる。
8/19(sat)
話すことないときは話しかけてはいけないという呪縛からそろそろ解放してあげたい。」
(本文より抜粋)