original
著者:堀合俊博
仕事と生活のあいまに、音楽制作に取り組んだ約3ヶ月半の日記をまとめたもの。
8月26日(土)
「9時過ぎに夢とともに起きる。白くてやわらかい布が風に揺れていて、曇り空を通過した光のような線が窓の外から入ってくるイメージ。ピアノの音の上にメロディが鳴っていたので、ギタレレを手に取って音を拾ってみた。夢の中ではピアノのアルペジオだったものがギターに変換されたことでイメージの輪郭を見失いそうになるけれど、メロディを喉でつかまえてみて、ボイスメモに録音した。コードはその場で調整して、シンプルなワンコーラスができた。
メロディをボイスメモに録音したのはずいぶんひさしぶりで、そのままあてもなくギタレレを弾いていたらもうひとつなにかがつかまりそうになり、そのまま録音ボタンを押してみる。
浮かんでいるなにかに肉体を与えていくこの行為には、ほかに変えがたい感覚がある。途中で演奏を止めてベース音を探る過程や、コードを決めかねている様子もそのままボイスメモに記録しておく。」
(一部抜粋)