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泥縄日記 二〇二一年

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著者:杉並ペンギンズ 2021年1月1日(金)から2021年12月29日(水)までの日記。 同じ日付の、ふたりの日記が並べられています。 『十月九日 (土)  仕事。家で焼肉をやろう、肉は買ってくるから、と言っていたけれどPから何も連絡がないので俄に苛立つ。ちゃんと肉は買ってくれていた。帰宅してホットプレートに電源を入れるも、温まらない。今度は明らかにPが苛ついているのが分かる。自分が事前に確認しておかなかった非を詫びる。努めて明るく振る舞う、次にとるべき手段について素早く提案する、の三点行動で喧嘩を回避。高円寺のjumpで買ってきてくれたハラミ、タン、カルビをカセットコンロの上に置いたフライパンで次々焼いて食べた。タンはものすごく分厚くカットされており、どうも焼肉用ではなさそうだったので焼きながらスライス。ウシを食べるのが久しぶりで高揚した。その夜、三時くらいにふと目が覚めると、妙な胸騒ぎと悪心。汗をかいて、横になっているのも落ち着かない。一瞬、救急車?と思うがPに背中をさすってもらって深呼吸していたら落ち着いた。ウシを食べたことが原因だろうか。不安。 _______________  高円寺へ買い物をする。ひさしぶりに高円寺を歩き、いい街だと思うが、飽きたところがある。別に嫌いになったわけではないのだが、もはや住み続ける強い理由があまりなくなった、というのが正確だろう。寝かせておいた下書きメールを送ることに成功した。やはり、送付に一気にもっていかず、いちど寝かせて、「いまは書く時間」「いまは見直す時間」とわけることが重要なようだ。  ホットプレートは温まらないのであきらめてガスコンロとフライパンでやった。出したときにホットプレートのテストもやっておいてくれよ、ということが喉から出かかったが、この手の反省・反芻はエツに対してこのタイミングで言ってもよいことはないので胸のうちにとどめておく。ハラミがうまいことを知った。タンっぽさもあり、ほのかに臓物っぽさのある、奥深い部位だとおもった。タンは生のそれを切り分ける技術がないので、いったん表面を焼き、それからスライスして食べた。レタスがちょっとだけあったのでちぎって食べたらよかった。米はいらないから、レタスはかならず用意しようとおもった。』

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