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リトルプレス
著者:嶋とさぎ(あんしん出版)
発行年:2022年
友人である著者ふたりの、
2022年1月から2月までの日記を同じ日付で並べたもの。
「人はみんな生きている。当たり前のこと。けれど、ふと、そのことを忘れてしまう瞬間がある。自分のことばかり、自分の半径0.5メートルのうちばかりを考えてしまうときがある。日記をとおして立ち上がってくるだれかの人生は、そんな忘れかけていた事実に、はっきりとしたリアリティを与えてくれる。自分ではないだれかが起きた時間、自分ではないだれかが食べたもの、行った場所、読んだ本、観た映画。だから、ひとりの日記ではなく、ふたりの日記を一冊にまとめようと思った。そうすることで、「人はみんな生きている」ことを、より立体的に捉えることができると思ったのだ。わたしの過ごした一日と、さぎの過ごした一日は、年月日で言えばまったく同じ一日。けれど、内容はまったくちがう。わたしが休みの日、さぎは仕事で、わたしが笑っていたとき、さぎは泣いていた。もちろん、逆もある。人には人の人生があって、人には人の生活がある。たくさんの生が折り重なって、この世はできあがっている。ふたりの日記をとおして、わたしとさぎの、そしていまを生きるたくさんの人の生が、立体的にそこに立ち上がったら、とても嬉しいと思う。」
(嶋さんのSNSから)