リトルプレス
著者:鍋島讃
出版社:風鈴書房
発行年:2020
日記年:2020
2020年7月13日(月)
「あの「うちで踊ろう」が4月12日の話で、なんだか遠い昔のことのように思う。でも、あの頃の空気の記憶は、肌感覚としてまだかなり残っている。緊急事態宣言が出された直後、もっとも先の見えない時期だったように思う。いまだって先が見えているとは言えないが、悲壮感や絶望感はいまよりずっとあったと思う。僕の目に映る人はみな怒っていたし、みな疲れていたし、みな途方に暮れていたように見えた。でも人々は生き延びて、あの出来事から二ヶ月が経ち、星野源は部分的にでも当時のことに触れられるようになり、そこからいまはさらに一ヶ月が経っている。」(p.122)