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石井つよシ『高円寺三畳一間でニートやってた俺の日記なんて、 一体だれが読むというのだろう。』

500円

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デジタルリトルプレス 著者:石井つよシ 発行元:孤独出版 発行年(紙版):2013 日記年:2007-2008 昼はコピーライター、孤独出版の石井つよシさんが、高円寺三畳一間でニートをしていたときの日記。紙版とは異なる、日付入り、まえがき・あとがき入りのPDFオリジナル版です。 * 2007年8月10日くらいから2008年6月25日までの1年弱ほど、高円寺の三畳一間、家賃2万円のアパートでだらだらと過ごしていた。大学を卒業したばかりで、お金がなくて、行くあてもなかった。1万円稼ぐためにがんばるくらいなら、家賃が1万円安いところに住む。そんな思考回路だった。部屋にある古い流し台はあまりに凸凹していて水がぜんぶ流れきらず、そこにできた水たまりには小さなウジみたいな生きものが元気にクネクネしてた。夜になると天井裏をネズミたちがうるさく駆けまわり、壁がうすすぎて、となりの住人がティッシュをとる音まで聞こえてきた。お金がなくなると、あわてて日雇いへ。人と話さなくていいバイトを探したり、麻雀屋で稼いだりした。コインシャワーは8分しか出ないのに、真冬になると、はじめの2、3分は冷水のままだった。10円玉をポケットいっぱいにつめこんで牛丼屋にいき、券売機の前で、うしろを気にしながら硬貨を何十枚も一枚ずつ入れていって、やっとありつけた1杯の牛丼のおいしさといったら...。 この本は、もう10年以上まえのこと。高円寺時代とその前後に書いていた日記を編集しなおしたものだ。できごと、というより、頭のあれこれを記しているので、あまり日記っぽくないかもしれない。そういうところも、たぶん、あの頃らしいのである。 * 2007年8月12日 〈ロミオ・チャーシュー・ジュリエット きょうの昼はラーメンを食いに行った。 わりばしを割ったとき、それぞれに、 「ロミオ」と「ジュリエット」と名づけてみた。 チャーシューや麵をはさんでしか、 ふたりは会えなかった。〉 ◎ページ数 本文70ページ

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